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欧州の「極右」政党台頭 [政治]

ギリシャで極右政党が躍進し、その動向が注目されている。

ネオナチというのは欧米では長きに渡って存在するものであって、
完全排除は不可能と言っていい。
少なくとも私がローティーンの頃には映画「ブルースブラザーズ」でナチが登場
していたし、80年あたりのスキネッズやスカシーンではナショナルフロントの存在は
とっくに一般的な扱いを受けていた。アンチナチの団体はずっとあるし、逆に
映画「ビギナーズ」で60年代のホワイトパワーが描かれていることを考えると、
第二次世界大戦後の粛清後、間もなくから欧州では一般的に存在したのだろう。

以前はナショナルフロント、国民戦線といえば反共と自国白人優先色が強く、
「極右」と断言できたところだが、最近の「ネオナチ」の話はややこしくて、
ロシアで「鎌と槌」をハーケンクロイツの白抜きに書き込んでいる団体は
共産主義とも関係しているし、東欧の、ナチによる差別の対象だった民族にも
ネオナチスタイルの団体があって、主義主張がよくわからない。
我が国もアジアである以上ホワイトパワー、白人主義からみれば立派な差別対象であるが、
我が国にもネオナチ式の団体が存在するらしい。
方法論や思想的なスタイルとしてホワイトパワーを基礎にすることはできても、
自民族が思想上虐げの対象なので、東欧同様、西欧のものとは違ってくるはずだが、
一概にそうはなっていない。

本物とか、偽物とかは別にして、彼の地の政治環境に「観客」として心酔したり、
憧憬を持つことはよくあることである。
過去の共産主義運動も同じようなものである。日本を敵国とみなす中ソの思想に心酔
していた人がたくさんいたし、今も引きずっている人がたくさんいる。
あまりいい印象はない。

外国人排斥を目的とするナショナリスト、というレベルまでは「自国に住みながら冷遇されている
国民」の目線からみれば、全く理解できないわけではない。
見た目は一般人であっても、かつての米国のジャパンバッシングがそうであったように、
金持ちにへつらわざるを得ない国民感情とはささくれ立つものである。
今の日本もそうであるように。

レイシズムについては、南アフリカでの人種隔離、豪州での白豪主義、
アメリカだって人種差別は公然のものであったのだから、全く新しいものではない。
むしろ近年まで制度として存在し、解消に向かう歴史の方がはるかに短く、
実際は「継続している」とさえいえる。
ただ、レイシズムを思想とするとなると、同じ思想にありながら、
自国・同民族以外の者とは対立せざるをえない自己矛盾が生じるので、
思想的な統合は難しくなる。「異民族の兄弟」と肩を組めるのか、思想が
民族を超えられるのか、ということになる。

ヒトラーを原理主義の根底に据えるなら、日本と同盟を結んだ経緯から言えば
それは許容範囲であるが、「劣等民族」たるアジア人とアーリア人が同盟を結ぶというのはかなり
苦しい展開が存在したわけで、ましてや今は他国や他民族間に対して極めて狭量である
のでよほどの利害がなければそれはさらに難しくなるだろう。

お互いがお互いの差別的見解を認め合うことは普通ありえない。
ただ、阪神ファンも巨人ファンも野球好きには変わりがないから、互いに認め合うことがある
ように、相互に近い思想者、共闘者として理解し、中立を保つ、あるいは同じ敵を持った時
に同調することはあるかもしれない。
ただそこまで行くと、自国民重視のレイシズムの支柱から外れるけど。

なお、スキンヘッドを「=ネオナチ」と扱う文献や言質を頻繁に見るがそれは正しくない。
ファッションとしては60年代より確立されており、音楽的ルーツは黒人音楽であるスカを
支持しているのであるから、起源はレイシストではない。
ネオナチもいるが、SHARP等反人種差別主義スキネッズは対立しているし、
政治色のないスキネッズ、単に愛国主義を標榜するものも多く存在する。
報道で取りざたされているのは「ネオナチ派のスキネッズ」か、
「スキネッズファッションのネオナチ」が正しい表現であってイコールではない。

私は他国の文化や人々に興味があるし理解したいというスタンスなのだけれども、
その上でもなお、他国の習慣や考え方が理解できなくて、嫌悪することもあるので、
全く身ぎれいとは言えない。既存の政治にも資本主義にも不満はあるし、
自国のあり方にも大いに疑問を感じている。だから、全否定はできる立場にはないのかも
知れない。
ただ、私はカラードで、色黒の日本民族だから、彼らの思想において歓迎される客ではないのは確かだ。
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