SSブログ

市場主義と国策 [経済]

世界中の平民は市場主義にチビるような思いをしてきた。
円高問題でエスタブリッシュメントが瓦解しても新たな市場の道筋が開くだけ、
と平然とすべきである。
円高になれば輸出株はへこむ。しかし、輸出株をすでに手放し円キャッシュを
持っている者にとっては他通貨ベースで相対的に利益が出たことになる。
大騒ぎしている輸出企業やマスコミの財務部が輸出株を握りしめて持ち合っているなど
ということはありえない。

円高は社会問題だというけれど、渡航の自由がある国に行ってしまえば渡航費用を差し引いて
なお有益なら個人的には投資は成功である。
わたしの貯金箱の中の100円玉は貯金箱を出ることなく0.8$から1.2$にここ数年で値を上げた。
1000豪ドルは10万円から一時5万円に目減りした。

市場主義はわたしたちを市場の中の住人にしてきた。
もはや国内問題、経済問題と個々の投資実績をリンクさせて「全体にとって悪い」
と問題視すること自体が間違っている。

これまでもいってきたが、借金がない人、輸入業者には円高は福音である。
利息のほとんどつかない貯金に投資してきた人にとっては円の価値はドルベースで
1.5倍のパフォーマンスがあったことになる。
住宅ローンを借入れて不動産に投資した人は、ドルベースの借金は1.5倍になった。
不動産の残価を差し引いて貯金した人より資産価値がなければその人の投資は貯金の
人より劣っている。
快適とか、自慢とか、達成感とかは別の話で、生活が劣っているとは言わない。
投資のパフォーマンスが劣っているとは言える。

マーケットには感情はない。
投資の成否は結果と資産価値だけなので、何もしなくとも得した人がいて、
あらゆる投資技術を駆使して損した立場の人がいる。

国策で利益誘導をして失敗した人がいるから国策で助けるというのは
フェアではない。住宅ローン減税キャンペーンに乗っかっておいて、
借金をしてまで住宅投資した人たちを救う気などさらさらない。
彼らは一応にこう口にしていた。
「減税があるうちに買った方が得」だと。投資判断にほかならない。
賃貸でキャッシュを持っている者が投資面で勝ったケース、というだけである。

ところが、世界経済を見切って、あるいは不動産の価値に疑問を持って
投資判断を誤らなかった人たちになんの恩恵もない。
本来報奨されるべき人々である。

増税を強いて、投資の失敗者の借金を繰り延べし、破産を容認して
貯蓄者の利益を奪っているだけである。
口では市場経済を唱えているが、真実は国策の失敗と
投資の失敗者の救済に追われているのだ。
経済政策とは市場主義の失敗の補完ではなく強化であるべきものなのに。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

ユーロは存続できるか台風4号 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。