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経済破綻前夜、株主総会の心得 [国際情勢]

欧州はどうやら本格的にカオス状態になりそうだ。
米国も雇用情勢がよくないという。
日本は大手輸出企業が軒並み大赤字、
円高再燃で株価はちょっと前の半減状態が続く。

さて、市場資本主義的原則からいうと、弱者が市場から去り、
よりよいサービスを提供するものが残り、市場で勝者となるので、
弱者の淘汰はむしろ自然の法則である。
そして勝ち組、負け組ができる。
労働者も市場参加者と同じことだから、弱者は去るべきで、
よりよい労働者のみが勝ち組として市場に残るのだ、
という風潮でここ20年を経てきたのだ。

ところが、よりよい労働者たる勝ち組だけが勝ち残り、弱者たる
非正規社員を使うようになったにもかかわらず、勝ち組が到達したのは
大手電機関連は史上最悪の大赤字で、金融株は大幅に値を下げている。
かろうじて一部の自動車や食品関連の堅調なところが残っている感じだが、
かつての覇者たちは没落した。
私は左翼的見解等述べるつもりはないのだが、さて勝ち組とは何だったのか。
いまや市場での敗北者となった彼らの経営責任とは何なのか。

株主総会では、円高が進んだから、とかタイの洪水が、とか、欧州の混乱が、韓国の伸長が
インドの減速が、中東の不安定化が・・・・言い訳が延々と並ぶわけである。
しかし、株主は甘いことを言ってはならない。
資産を半減させた理由をよく考えてみるべきだ。
為替の動きに不用意であったこと、為替リスクと海外投資のバランスを欠いたこと、
カントリーリスクに対処できていなかったこと、ライバルに負けたこと、売り先の市場の読み違え、
戦乱のリスクに対処出来なかったこと。1980年台から教科書に載っていたリスクばかりである。

なぜ、為替をヘッジしていなかったのか、なぜカントリーリスクを踏まえたうえで工場進出
したのに失敗したのか、なぜ韓国に負けたのか、なぜ市場の減速を読み違えたのか、
なぜ中東で20年も戦争をやっているのに過小評価し、別の調達先を見つけなかったのか。
すべて経営者たちは答える義務がある。
ちょっと前までは「不況だから」という言葉で表わされていたことはもはや通じない。
不況下で韓国はなぜ日本を追いぬけたのか。それぞれに経営選択のミスがあったのである。
例えば市場より性能を選び、ロビー活動にも疎かった。それも経営の能力不足と言えるのである。
金融もまた然りである。
なぜ、上記のような事態になるような会社に金を貸し、回収不能になったのか、
なぜ、リスクを軽視し海外投資を後押ししたのか。

そもそも自由市場である為替の動きの幅が間違っていたことが投資の、あるいは
売り先の、ひいては経営計画の失敗なのだから、「経営は結果だ」と強気に
労働者を切り捨ててきた経営者はその椅子に座っていること自体が
資本主義の原則に当てはまらないのである。

星新一の話に、人口維持の為に無作為に死刑が執行される社会の話がある。
死刑執行官であった男にもついに順番が回ってきて人生を終えるのであるが、
「勝ち組」としてリストラ執行官であった経営者にもついにその順番がまわってきた
と言えるんではないか。
資本主義というルールの中で、自分にはまわってこないと思っていた順番がきたこと
に彼らは気付くべきである。
株主は大いに問い詰めるべき点があることを忘れてはならない。
今年は行ってみるか。


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